HASH BLOG

ブルーグレイな日々とデザインのメモ帳

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- | permalink | - | -

着地点

どの世界でもそうですが、いわゆるビジョンというものが求められています。どこを着地点とするか、という遠い彼方の目標を見定めること。これを描くことは、優秀な人材に求められる必須の能力。
でもなかなかそれは上手くいかない。なぜならそれがものすごく遠くにあるから。はたまたそれが「正しい」ことなのか、確固たる自信がなければそれを人に表明することすらなんだか恥ずかしいことのように思えてくる。(これはやや日本人的な発想で、本来は間違えることが当たり前、それをどう軌道修正するかが本当の能力だったりするのだけれど。)

本来、未来は予測不可能なもの。でも、その不確かな未来との距離を縮める手立ての一つがデザインシンキング(も少し突っ込んで言うとラピッドプロトタイピング)のような気がしています。早め早めに向かうべきマイルストーンをカタチにして、ダメならばサッサとつくり変える。遠くにあるものと、現在地点との距離を縮めるための作業。アタマとカラダを同時に動かす作業である、というところもなかなかポイントが高い。
ゴールに向かって走り続けるための、やる気の自家発電のようなものでしょうか。
日記 | permalink | comments(1) | trackbacks(0)

デトロイト

車で3時間弱、近いような、遠いようなデトロイトに行ってきました。実は渡米前から気になっていたスタートアップがあって、今回はそこがガイドしてくれるスプレーアート(グラフィティとストリートアートを合わせたようなイメージでしょうか)を巡るツアーに参加してきたのでした。

2013年に財政破綻する以前から、街(特にダウンタウン)はアブナイと聞いていたのでビビってたんですが、実際行ってみて感じたことと言えば、気を抜いちゃ行けないなってことでした(笑)。テクノミュージックの産まれた街でもあるのでクラブなんぞのぞき見したかったのだけれど、その勇気も出ないほど。

街の成り立ちの歴史的背景は財政破綻以前からいろいろあるようなのでここでは割愛するけれど、街のスケールというか都市計画がもう人間を寄せ付けないスーパースケールなのが印象的。基本的に車がないと生活できないし、(冷たい雨の日曜日だったことを差し引いても)街中の歩道を歩いてる人も結局ほとんど見かけない。(人がいない、というわけではない)
道路はそこら中冠水してるし、インフラのメンテナンスが追いていないのが一目瞭然。橋桁の下なんかでは道路が池みたいになってて、立ち往生している車もちらほら。

そんなネガティブなイメージが先行しがちな街ではあるけれど、次のステップへ進めるべくいろんなことが渦巻いてるのも同時に感じることができました。今回巡ったスプレーアートもその1つ。

Splash Muralsの、消火器を使ったやつ。9階建てのビル一面の大きさ。

冒頭にガイド役のMattから投げかけられた質問は、「グラフィティとストリートアートの違いって何だと思う?」でした。1つの帰着点はというと、それがlegal(合法)であるか、illegal(非合法)であるか。もしくはある種のヴァンダリズムと言われるような文化破壊がグラフィティで、それがクールなものとして受け取られてコマーシャリズムに迎合したものがストリートアートだ、っていう見方もある。

デトロイトの街中は普通の街に比べて明らかに荒廃しているし、そこら中にグラフィティが溢れてる。グラフィティが少ないエリアは、「あぁここは人が“キチンと”生活してるところだな」っていう安心感すらあるほど。
でもデトロイトの面白かったところは、ブラック(非合法)なグラフィティを、用途のなくなった壁(もしくはただの壁)にオフィシャルに(ホワイトに)開放して、なにが合法で何が非合法なのかすら曖昧なグレーゾーンを拡大し続けているところにあると思う。行政がラクガキ対策としてやる壁の開放なんかじゃなく、街で生活してる人たちがそれを進めてる。
それは従来的な意味でいう街の“美化”ではないのだけれど、確かに文化的な、あるいは俗として受け入れようとしている。ストリートの文化なので、コマーシャリズムとの結託を忌み嫌うアーティストもいるらしいのだけど、そういった動きともまた違う感じがする。

MEGGS (houseofmeggs.com)

今回お世話になったDetroit Bus Companyは、財政破綻後に縮小してしまった公共交通をカバーするために立ち上げられたスタートアップ。いわゆる私立のバスカンパニー。古いスクールバスを活用し、スプレーアートをバス本体に施して(アーティストのタギングまであった!)、堂々と小中学生の通学や都市観光の一端を担っている。
彼らは実に自由で、楽しそう。これが一番重要なポイント。公共サービスってなんなのかね、とも考えさせられた今回のデトロイト。
なんだか上手くまとめられないのだけど、このごちゃごちゃとしたモノを早めに定着させておいた方がいいかな、通ってそのままエントリー。

※掲載した2つのスプレーアートは両方とも合法とのこと。
日記 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

Copyright (C) 2004 paperboy&co. All Rights Reserved.
presented by Yusuke Hashimoto "HASH DESIGN WORKS"