ちょっとした隙間を縫って、1週間ほどロンドンへ行ってきました。学生の頃にバックパック背負って来て以来13年ぶりのロンドン。
当然っちゃ当然だけど、自分がいま住んでいる場所とは明らかに環境も文化も違う。間にアメリカという場所が挟まっている分、以前とは違いの感じ方も違ってくるから不思議です。経験に厚みが増したから、というのが言い過ぎだろうか。
街でたくさん走ってる赤い2階建てバス、通称ロンドンバス(正式名称はルートマスター)がとにかく印象的です。
トーマス・ヘザウィックがデザインした最新型のルートマスター(二階建バス)がとにかくカッコいいなぁ。
丸く人懐っこいカタチにシャープな左右非対称ガラスの組み合わせが良い。こんな2012年のオリンピック以来増え続けて、いまではこれがドンドン街中を走ってます。角を大幅にラウンドさせたカタチなので、見た目が非常にコンパクトで、空が広く感じます。
複雑でエッジなデザインに見えるけれど、原理は至ってシンプル。旧タイプから階段を1カ所増やして2階へのへのアクセスを改善して、その階段部分を採光も兼ねてガラス張りにする、というアイデア。2階の水平窓と連続する階段のガラスなんかは非常に複雑な曲線をしてますが、これまもぁあこの基本ルールに則った結果。ナナメに切れ込んでいるフロント回りの意匠も、階段の斜線に呼応した意匠。
これだけ都市のイメージや歴史と密接に関係する公共交通も珍しい。その分、デザインを決めるプロセスもなかなかの紆余曲折っぷりです。コンペの最優秀案としてCapoco Designとフォスター+アストンマーチンの2案がありながら、製造の権利を落札したバス会社がさらにヘザウィックと最終のデザインを決めるという。
3次元に曲げられたガラスを多用した、左右非対称のデザインは、いまの日本じゃなかなか出来ないデザインだなぁと思います。