Fallingwater、って言ってもなかなかピンとこないんだけど。落水荘、の方が長年親しんだ分やっぱりしっくりくる。
行ってきました。
ピッツバーグのダウンタウンから車で1時間ちょっと。近代住宅の傑作の1つであるそれは、建物が“建っている”というよりも、そこに“置かれている”という印象でした。
名作すぎて、今更あれこれ批評するまでもないのだけど。
滝の上にある住宅という強烈なインパクトに起因する外観のイメージばかりが先行しがちだけど、内部空間もそれはそれは驚くべきデザインでした。
コーナー、がない。あらゆる出隅入隅が面取りされていたり、高密度な造り付けの家具によって徹底的に“角”がケアされている様に感じました。そこまでして、ライトは何を消し去りたかったのだろう。
天井高の低さにも驚き。メインリビング以外はどの部屋も2mそこそこ。平面・立面・断面のコンセプトとまったくズレがなく、水平方向への拡がりが強く意識されているのを感じました。この天井高の低さが、「日本的」と感じる強い要素なんだと思います。
あぁ、これはすごいな…と思ったポイントは2つ。主寝室からバルコニーへの連続性と、ゲストハウスのモダンさでした。特にゲストハウスは、母屋の後に建てられたのと、予算が厳しかったことから装飾的なデザインが控えめなのだけど、それが同じデザイン言語を使いながら圧倒的にモダンな空間に翻訳されていて、非常に印象的でした。
学生の頃からの憧れの住宅。まずは1つ。