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ブルーグレイな日々とデザインのメモ帳

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矛盾

市内に引っ越してから、映画館まですごく近くなったので、映画との関わり方がまたちょっと変わって。
思い立ってレイトショー。
夜遅くの映画館は、そわそわざわざわした空気が少し薄らいでるから、なんだか最近好きな場所になりつつある。
ビール片手に「風立ちぬ」を観て。

ひとはいつも、どこか、矛盾の中を生きている。算数の式のように、解法や解答が1本道であることはなかなかない。

美しいものをつくりたい。
でもそれは、自分の思う美しさとは別に役割を与えられ、そういう利用をされてしまう。

この映画にはそんな矛盾が、わりとそっけなく描かれてる。その矛盾に立ち向かえる純真さと、「力を尽くしなさい」という言葉と一緒に。

オトナのためのジブリ。専門家や批評家からはいろんな意見があるみたいだけど、ボクはとても良いアニメーションだと思います。

庵野さんのアフレコも、賛否両論あるんだろう。そりゃもうずいぶんと棒読みだし、抑揚もないし。でも、“わざとらしさ”は欠片もない。僕たちの住んでる世界には棒読みっぽく喋ったり、フラットに喋るひとは実在する。アニメーションへの期待と、その期待への裏切り。それもまた矛盾に満ちた世界を表現する一つの方法だったのかもしれない。
ただ1シーン、庵野さんのアフレコにグッときた場面があった。嬉しさに、声を詰まらせるあのシーン。あのアフレコは、プロにはできないんではないか、と思う。
映像 | permalink | comments(4) | trackbacks(0)

personal


関西ってもう、梅雨明けしたんだっけ?というぐらいに慌ただしい日常。気付けば週末は三連休だそうで。遠くのアレと、近くのコレに挟まれながらの毎日。

市内をぐるぐる自転車で走り回るのも随分と慣れて。気温は高くっても、走って風を浴びてれば案外涼しい。止まると地獄だけどね。

というわけで、つかの間のお出かけ。これまた会期ギリギリに滑り込んで。
「Personal」展、grafにて。

ヨッシーこと「吉行良平と仕事」の作品も、相変わらずイイ感じのラフさとナイーブな感性が同居してました。

アッコちゃんの「Oue」も、とだっちの「暮らすひと暮らすところ」も、身の回りにあるモノたちに新鮮な発見と、心地良いオドロキを与えてくれる。

フワッと軽くて吹くと飛びそう、消えて無くなってしまいそうなほど繊細なのに、素材にはとっても重量があって、プロダクト自体の“重さ”がしっかりあるのが不思議です。
ボクにはできそうにもない仕事、良い仕事。
日記 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

マルニ60

ソファって、実はこれまでのボクの生活には無縁なものでした。
でもなんとなく、今の部屋の中に居場所がほしいなぁと思ったとき、やっぱりソファかなと思って。

軽やかでやさしくて、日々と共に過ごせるカタチ。そんなモノをを探してました。そしてこれがウチにやってきて、4ヶ月が経過。
マルニ60・オークフレームチェア

張地は、通常のラインナップないものをオーダーさせてもらいました。ありがとうD&Department。

かつてはソリッドなメタルの質感が好きで、住んでた部屋に木目調のインテリアが一切無かったボクが、いま選んだ、日々を共にするためのソファ。
柔らかでおいしそうな座面と、厳島神社の鳥居をモチーフにした何気ないフレームの造形。張地を変えたおかげで随分印象は違って見えるものの、60年代にデザインされたものらしさ、という印象は変わらず。

フレームはノックダウン式。安定感という面では多少劣るものの、生活の場所を半固定ぐらいにするライフスタイルにはピッタリだと思う。バラしても使えて、追加もできる。そんなフレキシビリティがまたイイ。

ちなみにフレームは「キノママ」。これまでは捨てたり着色部にしか使ってなかった色ムラがある木材も、そのまま使ったもの。今はもう、見た目の美しさだけがプロダクトの全てではないだろう、ということ。
「ロングライフ」という言葉が溢れる今日この頃だけど、それってつまり“日々を共にする覚悟のあるカタチと、それを選べる自分”の関係があって初めて成り立つものだと思うのです。
モノ | permalink | comments(2) | trackbacks(0)

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