台北で巡った新築の建物で記憶に残っているのは、北投の図書館(休館日で入れなかったけど)、台北101ぐらいなもので。建物がよかったってわけではなく、記憶に残ってるだけなんだけど。101は、ずいぶん残念だったので特に。
文化施設的なスポットをいくつか見て回ったのだけど、印象的だったのは古い建物を転用してる箇所が多かったということ。リノベーション文化は、日本よりもずいぶん進んでました。とはいえ民間が力を入れているというよりは、古くからの公的施設が結構残っていて、公的機関がそこを戦略的に活用していこうとしている感じ。このムーブメント、日本にはない。
一番印象的だったのは、おそらく一番後発と思われる松山文創園區 。
とにかく環境が圧倒的。
1937年に建設されたタバコ工場をリノベーションして、現在は台北デザインセンターやデザインミュージアムが入居するデザインスポットに。 現在は周辺を超大規模に開発中で、入り口が分からず…。工事現場に居た人に声をかけて、裏から入れもらうなど。
デザインミュージアムのコンテンツはすごい荒削りだし、どこぞの学校の卒業制作展みたいなのをちょくちょくやっていたり。まだまだ活用仕切れていない感はあるけど、周辺の開発が進んで新旧のマッシュアップが実現すれば、面白い場所になるんでしょうね。
それにしても、工場とか倉庫とか。こういうビルディングタイプってクリエイティブ産業と結びつきやすい。ニューヨークのSOHOや、発電所をリノベーションしたロンドンのテートモダン、造船所だった大阪クリエイティブセンター。SANAAの事務所も天王洲の元倉庫だったか。
箱としてニュートラルだからだろうか。広い場所があれば、後のコンテンツは建物の物理的条件と切り離して考えることができる。そういうことだとすれば、建築の意抽象化は今後もっと進んでいくのだろうなぁ。
こちらは華山1914創意文化園區。1914年、日本統治時代に建設された酒造会社の工場。
これは、台北當代藝術館。こちらも日本統治時代に、小学校として建設された建物。
いろいろありました。どれも中身はまぁ、置いておいてといった感じ。