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ブルーグレイな日々とデザインのメモ帳

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ジャー

炊飯器は幾多あれど、どれもこれも基本的には鉄仮面のような、おおよそ調理器具、白物家電のイメージとは遠いものが多いのは、けっこう不思議な感じがします。

ほんとうは象印のZUTTOがあれば悩んだのだけど、残念ながら今はもう販売されていません。というわけで、自分の中では禁じ手にしていた、無印良品の家電に手を伸ばし。
ジャー炊飯器・マイコン式・0.5L。デザインしたのは深澤直人さん。

2002年にグッドデザイン賞を受賞したプロダクト、もう10年も前のことなんだからオドロキ。

しゃもじがおける突起が付いてるとか、“主婦の知恵”的なアイデアは、個人的に深澤さんのデザインに期待しているところでもあります。実はこのしゃもじ置き、別のモノによって無効化されてしまったのですが、その話はまた後日。

一般的な炊飯器よりもまるみを帯びた本体に、スパッと平らに切られた上部。そのために、おそらく必要以上に本体の体積は大きくなってると思います。外観のイメージをつくるために、構造的にはけっこう無理をしてるんじゃないかなぁ、と。

また、この炊飯器には「取っ手」が付いてません。ハンドルがないので、持ち運べない。動かそうと思ったら、なんだかすごく大事なモノを扱うような所作になるのです。抱えるように持つんです。手はかかる、でも実はそんなところが、モノに対する愛着の一端だったりするのかもしれません。
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カデン

去年引っ越ししたときに、家電メーカーのふつうな家電をあれこれ買いそろえました。世間でデザインカデンって言われてるのは、バルミューダのグリーンファンぐらいかなぁ。

いや、家電メーカーの「ふつう」の家電でも、デザインはされているわけだけど。
だからなんでもいいわけではなく、ピンとくるものを選んでいきました。意識したのは、まっすぐ、垂直に立ち上がる2本の線。妙に丸みをおびていたり、テーパーがかっていたりしてなくて、恣意的な形態操作ができるだけ感じられないこと。
そして、色は白。

一番迷ったのは電気ケトルだったなぁと振り返り中。
タイガー PFY-A081-WR

さんざん迷ってそれかよ、とツッコまれそうですが。
円筒がまっすぐ立っているカタチの電気ケトルって、意外になかった。最後まで悩んだのは、色がクリームホワイトだったこと。微妙にベージュがかってるので、真っ白じゃなく…でもカタチは…と、結局色は妥協してしまったのでした。

ふとメーカーのウェブサイトを見ると、今はホワイトがラインナップされているようで。ちょっと悔しかったので思い出しながら書いてみた次第。
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ダイバーシティ

今週、1つの講演会と1つの講義を受けて。
講演会は、GKデザイン総研広島さん。アストラムラインのデザインパッケージについてが中心。パッケージの内容は作品集なんかで知っていたのだけど、そのデザインプロセスを話してもらえたのが収穫で。
GKデザイン総研広島はもともとマツダのデザインチームとGKデザインが一緒になってできた会社。なので、異なるジャンルのデザイナーが協働する状況が、そもそもつくられていたというのが特徴。例えば原寸大のモックアップをつくって細部の調整をすすめたり、トルソーを使いながらシートのデザインをしたり。電車の車両デザインに、自動車デザインのプロセスを応用するというのも、自然な流れであったわけです。

おもえば、山中俊治さんがデザインしたSuica自動改札の13.5度も、「実験提案書」というかたちでアブダクティブなデザインプロセスが採られたために“発見された”カタチだったことも思い出したり。

もう1つは川崎和男先生の大阪大学での最終講義「the Final」。講義の内容は別の機会に振り返るとして、冒頭に平野 拓夫さんが引用したこの言葉。「Diversity is Possibility」(多様であるということは可能性である。)

なんだかいろいろ腑に落ちたんだなぁ。
課題解決にデザイナーが有用に働くというのもわかるし、ダイバーシティが大事というのも理解できる。でも、課題解決をもたらすのはデザイナーだけではないし、多様であることが即ち意味のあることであるとも信じられない。

それはつまり、可能性の拡大だっていうことだったんだなぁ。なんて単純なこと。
壁を越えるためにも、自分の中に多様性を育てることも、きっと大切。
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