今週、1つの講演会と1つの講義を受けて。講演会は、GKデザイン総研広島さん。アストラムラインのデザインパッケージについてが中心。パッケージの内容は作品集なんかで知っていたのだけど、そのデザインプロセスを話してもらえたのが収穫で。
GKデザイン総研広島はもともとマツダのデザインチームとGKデザインが一緒になってできた会社。なので、異なるジャンルのデザイナーが協働する状況が、そもそもつくられていたというのが特徴。例えば原寸大のモックアップをつくって細部の調整をすすめたり、トルソーを使いながらシートのデザインをしたり。電車の車両デザインに、自動車デザインのプロセスを応用するというのも、自然な流れであったわけです。
おもえば、山中俊治さんがデザインしたSuica自動改札の13.5度も、「実験提案書」というかたちでアブダクティブなデザインプロセスが採られたために“発見された”カタチだったことも思い出したり。
もう1つは川崎和男先生の大阪大学での最終講義「the Final」。講義の内容は別の機会に振り返るとして、冒頭に平野 拓夫さんが引用したこの言葉。「Diversity is Possibility」(多様であるということは可能性である。)
なんだかいろいろ腑に落ちたんだなぁ。
課題解決にデザイナーが有用に働くというのもわかるし、ダイバーシティが大事というのも理解できる。でも、課題解決をもたらすのはデザイナーだけではないし、多様であることが即ち意味のあることであるとも信じられない。
それはつまり、可能性の拡大だっていうことだったんだなぁ。なんて単純なこと。
壁を越えるためにも、自分の中に多様性を育てることも、きっと大切。