きっかけは、ご本人から表現に自らの作品を大量に寄付したいとの申し出だったそうで。その数、作品・資料含め3000点以上と。この経緯だけでも凄いのだけど、それを、既存美術館を改装した場所にあらたに美術館を設けたというスキームに興味がいくところ。
会館当時から気になっていた、横尾忠則現代美術館に行ってきました。
建物はかつて、建築家・村野藤吾さんが設計した原田の森ギャラリー(旧兵庫県県立近代美術館)西館を、外観はほぼそのままにリニューアルしたもの。
縦方向の構成は、1階を透明性の高いエントランス空間、2階以上を閉鎖した展示空間にしていて、オーソドックス。それがそのままRCの巨大なボリュームを持ち上げるという立面の表現になっています。
面白いのは、そのボリュームをピン接合で受けていて、接合部を表出させているところ。巨大なコンクリート塊を思わせるボリュームが、不安定な接合で“載っている”ような感じです。
展示は、横尾忠則作品の洪水。初回展示のテーマである「反復」をうまく理解できる構成でした。1人の作家に焦点を当てる美術館として、これからのキュレーションに期待です。
運良く当日、ご本人がライブペインティングされていました。クラシック音楽のBGMと相まって、モダンな空間が荘厳な場所へと変貌。ライブのもつ力、すごい。