短い短い夏休み。というか、週末だけのスケジュールを無理矢理やりくりして、北上。一路、新潟へ。
2000年から始まって今年で5回目になる芸術祭。実際に訪れるのは実は初めてだったりします。
というわけで、越後妻有「大地の芸術祭」。
時間に余裕もなく、現地で見たいものをその場で判断するっていういつものことながら計画性のない旅。なので今回は、レンタカーを借りての移動に。
2年前のせとうちの時のようなフラフラ〜感っとした感じや、船の時間におびえることなく全くのマイペースで巡る。
メイン会場となっていたキナーレは、原広司さんの設計。
越後妻有交流館 キナーレ。設計したひと、原広司(アトリエファイ)。
メイン展示でもある、クリスチャン・ボルタンスキーの作品は、鳴り響く鼓動によってそのスケール感がよりいっそう引き立っていて、案内のおじさんが「今回の目玉だよ」って言うのにふさわしい存在感でした。
中心が大きく開かれたキナーレの配置計画。周囲に対してどこかをひらく訳でもなく、近頃ではちょっと珍しいほどに内向的な建築だったけど、スケールと抱擁感が心地良く、すごくイイ感じ。
展示されているアートは、まぁ完成度・品質ともにバラバラだと思います。目当ての1つだったゴームリーの作品はやっぱりかっこよく、お金もかかっている。でも、それだけが良いのではなく、“芸術祭”の意味・意義を考えると、一義的な正解なんていうものはないのだなぁと当たり前のことを思ったり。そもそもアートとは“問い”であって、答えではないのだけれど。
カレーなんかも、これアーティストの作品なんですけど、そういった“問い”のツールになったりします。 Curry No Curry:リクリット・ティーラヴァニット
5回目ということもあって、地元の方々も随分と他者を受け入れることに慣れていらっしゃるなぁという印象もあり。それはもう、芸術祭の有り様として素晴らしいことだと思いました。
あとは訪れる僕たちの方が、何をもってその場所に入っていけるのか。そこを、それぞれに
考えることができたらな、と。そこがちょっと、自分なりには足りなかったところ。いわゆる文化度、ってやつ。