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ブルーグレイな日々とデザインのメモ帳

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FOX

20代のころは、旅に出ること自体が目的だったから、どこで寝るか、なんてことはどうでも良かったのです。「安全に寝られること」以外のサービスを何も求めなかったというか。相部屋だろうがシャワーの出が割るあろうが、どこでも良かった。

ユースとか泊まると、共用ロビーには絶対なんか変なヤツが居て、お互いに片言の言葉なんか使いながら、明け方まで缶ビールと安いワイン飲んだり。で、次の日寝坊する、っていうパターン。

30代になって、旅のペースも少し落ち着いてきたと同時に、寝るときもどこでどんな時間を過ごすのかっていうウエイトが高まってきて。とはいえ相変わらず安宿中心に泊まり歩いてる中で、今回は、コペンハーゲンでいわゆる「デザインホテル」に泊まってみたのでした。

2005年に、フォルクスワーゲン社のキャンペーンの一環として改装されたそうで。
21人のアーティストが、61部屋をそれぞれのコンセプトでリニューアル。で、ボクの泊まった121号室は「SLEEP SEASONS」と名付けられた部屋で、オーストリアのRINZENによるもの。部屋はこんな感じ。
部屋の中にテント。

はじめはテントなんて…とぎょっとしてましたが、意外と寝心地良くぐっすり。
建物自体はすごく古いけど、どこもかしこもぎっしりデザインされているホテル。普段ボクが意識して言葉を使い分ける、実用的・実務的なデザインとはまた方向性が違うけれど、感覚を刺激するための手法として、こういうデザインもやっぱり必要なんだなぁ。
古いものに対するカウンターというか、“破壊と創造”という面において、クリエイティブであろうとするスタンスが感じられた場所でした。

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都市のクリエイティブ

ストックホルムもコペンハーゲンも、どちらも素晴らしい街でした。

抑制された建物高さ、整ったスカイライン。古くから使われ続けているたてものが、まだまだ現役で。とにかく緑・自然が多くって、街中でピクニックしてるヒト多数。公共のデザインレベルが圧倒的に高い。街の至る所でオープンカフェやテラス席があって、みんな外で街に向かって食事したりお酒飲んだり。そんな豊かな環境。

で。
旅に行く少し前に、アドビの『「最もクリエイティブな国・都市」は日本・東京』っていう調査結果が話題になったのだけど、それとの関係性について。
コペンハーゲン。

「クリエイティブ」という言葉が持つ意味は一義的じゃないのだけど、多くの場合、それは破壊とセットになってる創造を意味する。古いものを目一杯引き継いで、その、むずかしい前提条件と常に闘う必要のある(特に)ヨーロッパのヒトからすると、制約無く創造を繰り返すことのできる東京という街は、やっぱり魅力的に映るんだろうか。と、そんなことを思ったり。

戦争で全てを失って、何もないところから、ただつくることしか出来なかった状況を乗り越えてここまできたのが、欧米諸国と大きく違うところ。制約がないことが、すでにコンプレックスなんだと思う。

というのはね、「TOKYO」の話なんだよなぁ。
東京の話と日本の話をごちゃまぜにしちゃいけない。ボクの身の回りにも、やっぱり守るべき何かはある。
何もなかった(ように思っていた)状況から、全てがある(ように思える)状況になった今、僕たちがほんとうにクリエイティブでいられるには何をすべきか。さして新しくもないトピックだけれど、やっぱり真剣に考えなきゃいけないなぁと、ブラブラしながら考えた7日間なのでした。
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STO・CPH

帰国、しました。いやはや、ビールをたくさん飲んだ。

とは、昨年と同じ書き出し。
昼間っから一杯やってる風景は、もはやヨーロッパではおなじみ。その自由で気ままな雰囲気が、実に好きだったりします。スウェーデンのファルコンビール、美味しかったです。デンマークではもちろんカールスバーグと、ツボルグを。

今年はスウェーデン・ストックホルムを中心に、ちょっと(だいぶ)遠出してコペンハーゲンにも行ってみたり。直前に観た『魔女の宅急便』の影響でね、気づけばいつも「ルージュの伝言」を口ずさんでました。

心がカラカラに渇いてしまっていたボクには、想い、感じ、考えることが多すぎた。そんな旅だったのかなと思う。建築マップも持っていたんだけど、結局一度も開かず。それぐらいに、目にする風景そのものが、ボクにとっては新鮮でショッキングでした。
ストックホルム市立図書館 設計:エリック・グンナール・アスプルンド

アスプルンドの建築も、しっかり見てきました。いや、こっちは建築というよりも、ランドスケープかな。
森の葬祭場 設計:エリック・グンナール・アスプルンド

おまけのつもりだったコペンハーゲン。こちらもまた素晴らしく。郊外では思いもよらず、たぶん、一生ココロに残るであろう素晴らしい環境に出会いました。
ルイジアナ現代美術館。この向こうに、この上なく豊かな環境が。

そう、建築とかランドスケープとか都市デザインとか、そういうカテゴライズされた存在ではなく、“環境”そのものなんだなぁと、そんなふうに感じながら、1週間ほっつき歩いていたような。そんな感じの、相変わらずにまとまりない、ぶらっとひとり旅なのでした。
詳細は後日。
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