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ブルーグレイな日々とデザインのメモ帳

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榎忠

 ひさしぶりに兵庫県立美術館へ。“半刈り”ぐらいは知っていたけど、多くはよくわからないままに行ってきた。最終日に滑り込みセーフ。

ネジ切られた鉄のかたまりを磨く。
鉄の部品を並べる。
薬莢を山盛りにする。
 
ただそれだけなのに、とてつもない質量を感じるのはなんでだろう。普段ではあり得ない、鉄の塊が引き千切られている断面には、モノとしてのリアリティが満ちあふれていた。
重さのようなものではなく、そこにあるモノを直接的に感じる作品ばかり。

そういえば、質量ってなぜ発生するんだろうって思ったのだけど、どうやらその原理は解明されていないらしい。
 
後から知ったんですけど、榎さんって普通に金属加工会社に勤めながら創作活動をされていて、定年まで勤め上げたそうで。その覚悟たるやすごいのだけど、それを受け入れている金属加工会社もすごいな、と。
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SUNNAN

新しい拠点が増えるということは、それだけ必要なモノも増えるということで。
なんだか知らないうちに、いろんなものがやってきているのでした。そんな中で、どうも気になったモノ。

電球色のLEDが光源のテーブルランプです。ボディはイエロー。
クネクネと変形する昔ながらのネック部分、ちょっと安定感なく頼りない感じ。全体のカタチはまぁ、過不足なくイイです。強いて言うならヘッドのわずかな膨らみがちょっと余計かな。

ダメなところは電源ボタン。ストロークが深いのに小さくて、しかも押し味が固い。指の太いひとはスイッチ入れられないんじゃないでしょうか。

このランプの最大のギミックは、ベース部分内蔵されたソーラーパネル。電源はすべてここから充電されたバッテリーでまかないます。ふ〜ん、すごいねって思ってたんだけど。

自らが発する光でももちろん発電するのだけれど、エネルギー効率的に100%というのはもちろん無理。ということは、使うためにどこか明るいところで充電しなくちゃいけない。でもランプが必要なのは暗い場所。使いたいタイミングでバッテリーが切れちゃったりしたら、明るくなるまで待つか、明るいところで充電しなくちゃいけない。ならばその、明るい場所で作業をすれば…という思考。

うーん、不思議なモノ。
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ファイナル

2011年を振り返るにはまだ早いけれども。

今年は社会人になってから、一番たくさんオンガクを聴いてる気がする。なんとなく、ではなく、積極的に。

サカナクションのツアーファイナル、京都まで。
KBS京都ホール。
会場のステンドグラスが素晴らしく、メンバーの計らいもあって、最後だけ写真OKなのでした。

いろいろあった2011年の、1つの区切り。
音楽を聴く機会が増えたのは、やることが山積していて、そんな中でも手軽に楽しめるのが音楽だった、ということなのかもしれないけれど。不安定な環境の中で、無意識に、心の拠り所を求めてたのかもなぁと思ったりもします。まぁそんな、センチメンタルなものでもないか。

メジャーデビューの頃から、ふとしたきっかけで聴き始めた彼らの楽曲。同時代的で、ジャンルレスで、実際に同世代で、不安げで弱っちくて時に後ろ向きで、でもウソがないところが好きです。

「戦略さえも表現に。」
ボーカルの山口一郎氏が、最後のMCで言いました。力強い、ひとこと。
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たけとんぼ

ちょっとだけまとまった時間をとって東京へ行ってたので、ここぞとばかりに展覧会巡り。
クリエイティブギャラリーG8の「野田凪」展に始まり、21_21の「アーヴィング・ペンと三宅一生」展、MOTのSANAA企画展、森美術館の「メタボリズムの未来都市展」。とくにメタボリズム展はボリュームたくさんで、思考を活性化させるアイデアに満ちあふれてました。良展覧会。

で、最後に一番“地味”な目黒区美術館へ行ってきたのです。
秋岡芳夫展 〜モノへの思想と関係のデザイン〜

恥ずかしながら、特段予備知識があったわけではなく、今回はじめてその思想と活動の全容を知ることが出来ました。とても素晴らしい展覧会。物量が多く、活動の変遷がとてもよく整理されていて非常にわかりやすかった。コンパクトな会場で、あれだけ濃密な企画というのは貴重。

童画家、工業デザイナー、生活デザイナー、木工家、道具の収集家などあらゆる一面をもってる方。
KAKデザイングループの頃のカメラを中心とした光学機器デザイン、細部へのまなざしがとても良かったのは言うまでもなく、その後のFD中小デザイン機構でのフリーランサーの仕事環境を整備する活動、工業デザインを脱して総体をデザインしようとする「会議によるデザイン」の思想、それを引き継いで地方へと視線を向け、地域のデザインへと発展してゆく活動。

精密な工業デザインから、地域のデザインへ。手、から生み出されるカタチ。『科学』の付録をデザインしていたときに、「日本中の子供たちが同じもので遊んでいていいのか」という疑問を抱いたというエピソードは、個人的にもすごく心を打たれました。
“いま現在”において僕たちが体験しているデザイン思想の拡がりを、一歩も二歩も先をいきながら実践している。僕たちが、今この時代にやるべきことは何か。ある意味大変なショックを受けたのでした。

最後に。竹とんぼをつくれるワークショップにも参加して。
竹とんぼは、秋岡さんが晩年作り続けたというミニマムマシン。その美しさたるや、ほんとに感動もの。竹とんぼが、ここまで美しくピュアなモノだったとは。
またそれが、サントリーのピュアモルトウイスキーの瓶に差してあるんですね。グラフィックデザイナーの佐藤卓さんによるパッケージデザイン。こういう美意識もまた、さりげなく響いたのでした。

クラフトナイフで竹を削って、やすりでカタチを整えて、重量のバランスを取り、炙って曲げて接着する。ほんの15分ほどの作業だったけど、久しぶりに手を動かしてモノをつくったので素直に楽しかった。飛んだときにはね、おばちゃんも子供もみんなうわぁって楽しそうな声を上げるのでした。

この感じ、忘れていたなぁ。
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続・リモワ

リモワつながりで。
何年か前に、あぁこれは面白いなぁと思って紙面そのまま写真にとってメモしてたんだった。
もうずいぶんと前の話なので、アイデアとしては賞味期限切れかもしれないけれど。
リモワの椅子/深澤直人

アルミのトランクって、ついつい腰掛けたくなる高さと、かたさなんですね。空港で子供がトランクに乗っかって移動してたり、出発の時間までちょっと腰掛けてみたりしてる場面はなんとなくイメージできます。
そういう“座る行為”をアフォードする。座れるという意味を、人はそこに発見する。

旅に出るワクワク感と、仮設的に休息を与えてくれるモノ。で、それをそのまま椅子にと。チャーミングで良いなぁと思ったのでした。

ボクのリモワは、からだ預けるにはちょっと不安な硬さです。これはアルミならではだなぁ。
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