週末を利用した弾丸トラベル。
埋没しそうになる日々の中、すこしでもバランスを保とうと、一生懸命見たことのない世界へと。
前に行った北京がガヤガヤしたところだったから、中国はパスかなぁと思ってたのだけど、同行者の意見もありここへ。
上海。仕事切り上げて、着の身着のまま。
もう、めちゃくちゃパワフルな街。思ってたよりもずっと大都会。川のこちら側と向こう側。同じ中国でも北京とはまったく性格の違う街、都市構造。これが歴史というやつか。
のんびりグルメを、なんてことはなく、限られた時間の中でいかにこなすか。当初「旅猿」がテーマだったはずなのに、すっかり「弾丸トラベラー」になってました。
そんな中、ちょっと無理して足を伸ばした場所。900年以上前からある水郷古鎮、周荘にも。狭い路地、水路。水運のための舟。住宅の裏側に水路が面していたり、休憩所のようなパブリックスペースが取ってあったり、水路沿いの路地にベンチ状のしつらえがしてあったり。公と私を包含するようにこの水路が機能してる。
食事中のおばちゃん。
パブリックスペースの捉え方が全然違う。
身体感覚としての距離や空間が、より広範囲に及んでいて、それが他人と重なることを苦としない空気感がある。だから、より人目につくところに“生活”がにじみ出てきているし、それをみんな気にせず受け入れている。道路の上空に洗濯物干してみたり、生活空間がオープンになっていたり。
こういう、けっこう近い距離感で空間を共有しながらも、みんなそれぞれ思い思いに過ごしている風景は、独特ですごく面白い。
アートシーンも、と思い、こんなとこにも。
スロープとブリッジが多用されたこのRC造のこの建物、実は元屠殺場。食肉加工という目的の為に最大限効率的に設計された建築が、こうしてコンバージョンされ、商業施設としての面白さを演出しているというのも複雑な現実。
北京の798芸術区のようなとこかと思っていたらちょっと違って、こちらは(おそらく)大きな資本が入った商業施設+イベントスペース。フェラーリやドゥカティのオーナーズカフェ、レストラン、ワイナリーなどが入り、中央の大きなスペースではファッションショーやナイキのイベントなんかやっているよう。この日はがらんとしてたけど。
というわけで、ボクはこれからも、W+KのJohn.C.Jayが若いデザイナーに向けて言った10のレッスンを、実践していくつもり。
5.Travel as much as you can. It is a humbling and inspiring experience to learn just how much you don’t know.(可能な限り旅に出なさい。旅先で自分の無知を再認識するといことはとても謙虚で刺激的な経験である。)