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ブルーグレイな日々とデザインのメモ帳

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NEX

最近は大きなカメラを持ち歩くのがとことん億劫になっていて、どこへ行くにも安定してGR Digitalと一緒。

おっきくて重いデジタル一眼は良く写る。だから去年のスペインへも大きなカメラをぶら下げて行ったんだけど、でも、でも旅の目的は“良く”写すことか、という疑問もあり。
思えばボクにとっての旅カメラはずっと単焦点コンパクトだったわけで、そう、撮ること自体を気軽に楽しむスタイルに回帰したいなぁとぼんやり思ったわけです。

ペンタックスKマウント。ブロニカSQマウント。ニコンFマウント。これまで、ボクが手にしてきた一眼レフのカメラたち。
そこに、新しくソニーのEマウントを迎えることとなりました。
Sony α NEX-5

とにかく小さく、軽く、楽しく、そして機動力のあるカメラを。
迷いに迷った結果、どうせなら世界で一番小さいの。手に持った時のグリップ感もしっかりあって、シャッターが切れるメカニカルな音に、光を捕まえてることが実感できるモノ。
デザインの肝は、なんといってもこの小ささ。ボディからレンズが“はみ出る”というコンセプトが、全体をしっかり貫いてます。金属の部分はすべてレンズに見えるけれど、“台座”にあたるの部分が実はボディ側にくっついていて、そこがまるでレンズに見えるようにデザインされてます。
ボディは、その大きな“筒”を受け止めるべく、四角いマッスをスパッスパッと面で切り落とした多角柱を、横に寝かせただけのシンプルなカタチ。
レンズがボディの片側に寄ってるのも、昔のサイバーショットF505からの系譜、ソニーらしい。

当然っちゃ当然だけど、これまでの一眼レフカメラとは全く違った形態言語を用いてデザインされてます。新しいモノをつくるための意気込みが感じられて、清々しい。

正直、レンズの描写は甘いし、シャッター音も見かけによらず大きい。でも、標準ズームつければオールマイティに使えて、16ミリ単焦点つければスナップ機になる。レンズ交換式のメリットも、このサイズならまた違って楽しめそう。

大学生のころの、初めての海外一人旅からもう10年くらい、リコーGRレンズはボクの目で、28ミリの画角はボクの視野そのものだった。さて次の目は、どんな風景を記録するのだろう。

そんなこんなで5月2日から、こいつ連れてベルリンへ行ってくる予定です。
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方法論

信楽でもう一つ、ボクが実際に買ったものの話。

結局、トラディショナルな信楽焼の器には、触手動かず。いや、まだまだ勉強不足というか、そこに手を出す勇気が出なかった。これ良いな、と思うものはあるんだけど、それをなぜ良いと思ったのか、上手く消化できなくて。だいぶ量を見たので、もうちょっと、もうちょっとなんだけど。

で、結局手が出しやすいのは、シンプルでモダンなものだったりする。
それでもギリギリ抵抗して、どこでも手に入りそうなものは避ける。そうすると、残るものは意外と少ない。その、自分の中の選択の閾値がまた面白い。
ボル陶」 デザインした人、春日亀美智雄さん。窯元は明山窯。

2010年のライフセラミックス展で発表されたプロダクトのようです。ギャラリーで一目見て、一呼吸置いて、うんと頷いてから決断するまでは早かった。

1合用の酒器で、「ボルドー」の名前の通り、ワインボトルをそのまま象ったようなカタチ。もうちょっと縦に長い2合用は、まんまワインボトルで、表現としてわかりやすかったのだけど敢えてこちらに。ワインボトルがさらにテーブルに沈んでるように見えるかな、とか思いながら。

デザインされている感じ、はする。“あるもの”をモチーフに、全く違う素材で置き換えるという方法論。
でも、うっすらと付いた刷毛目の陰影は、ガラスにはない表情が出ていてステキ。そういう無邪気さが、小難しさを上回ってしまいました。それで良い気もするし、それじゃ物足りない気もするし。地に足の付いた伝統工芸をどうデザインするか、難しい問題だなぁと改めて。
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しがらき

とある雑誌を見てから1年以上もの間、行きたいなぁと思っていた場所。
焼き物のまちというと、ひなびた雰囲気の漂う古ぼけた町というイメージが強いのだけれど、どうやらそれだけではなさそうで。

“窯元”っていう存在も気になっていました。器を作る職人さんが、自分のつくったものをその場で売る。その生産の現場を、買う人の方が回る。その、場所−モノ−人の関係が面白いな、と。

大阪からもほどよい距離だし、暖かくなってきたし、4月だしってことで、ようやく念願なかって信楽へ行ってきたのでした。
まずは、文五郎倉庫から。

文五郎窯という窯元さんが、古い作業場を改装してショップ兼ギャラリーとしています。ざっくりした改修と、改修の痕跡を残した設計がなんとも良い感じです。
ギャラリーの一角。

職人さんである奥田さんと、奥さんが迎えてくれました。これはどうやって焼いたとか、温度の違いでこんなに差が出るとか、釉薬のこととか、テーブルコーディネーターさんとの関わり合いの話とか、値付けのことまで。ほんとうにたくさんのことをお話しくださって、ものすごく勉強になった。つくってる現場、つくってる本人、空間、背景。いろんなことが同時発生的に特別な場所。

このほかにも、窯元散策路に沿って、大窯シロイロノイエ、明山窯、小川顕三陶房などなど、たくさんの窯元を巡って。一口に“信楽焼”と言っても、実にいろんなスタンスがあることが驚き。伝統的な“焼き物らしい”ものをつくっているところもあるし、モダンなテイストのところもある。女性らしいモノ、大きなモノ、小さなモノ、もちろん有名な「タヌキ」をつくってるところもありました。

この体験はね、ちょっとハマってしまいそうなぐらいボクにとって新鮮でした。つくっている現場で、自分の目で確かめて、心のフックにかかったモノを、この値段なら出して良いなと思う値段で買う。消費の基本がそこにある。そんなことを感じた一日。
文五郎倉庫で、茶器を2つ。半端物だったので安く譲って頂きました。
日曜日だったからか、人影はまばら。もう少し、地域としての発信力が高まればいいのかな。それとももっと、地元へ密着すべきなのか。それはさておき、世代間のミックスがもっと進めば楽しいのにな、と思ったのでした。
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メリヤス

日曜日だけど仕事をこなし、ばたばたと福島から歩いて10分ぐらい。
メリヤス会館という、古い建物があります。漢字だと“莫大小(メリヤス)”と書くらしい。

第1期部分は昭和4年竣工らしいので、もう80年以上昔からそこに建ってる建物。ここの地下で、とあるレセプションに参加。
 iPhoneしか持ってなかったので、微妙な画角で。

いくつかのデザインオフィスが共同ではいる「diner」と、新しいシューズブランド「blue over」のコンセプトショップがオープン。
秋田道夫さんの大阪オフィスもここに。肝心の秋田さんとは、見事に入れ違いになってしまいました。

RC造の地下躯体がむき出しの、ひんやりした空間。簡単なガラススクリーンと、胸ぐらいの高さから下は真っ白にペイント。なんとも迫力のある場所になってます。
これ以上でもなく、これ以下でもなく。ちょうど、良い感じです。

これから、もっともっと育っていく場所。また何か、“コト”が起こる場所ができてうれしいです。大阪の僕たちも、前向いて進まないと。そう、思った夜でした。

あ、でも、開口部をはつりだして露筋していたので、そこはさび止めとモルタルでちゃんと処理した方がよいですよ、関係者様。
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かわる

 なんでもかんでも変われば良いってものでもない。
変わるべきもの、変わるべきではないもの、変わってもいいもの、変わらない方が良いもの、変わる必要のないもの。まぁ、色々あるわけです。

根本的には変わる必要がないのに、消費を促すためにモデルチェンジをするものも、あります。春モデル、冬モデルといった商品発表のサイクルにあわせるために、ほんのちょっとだけ機能追加してリリース、なんてものもあります。逆に、カメラのGRのようにデザインの息の長いモノもあるし、デジタルプロダクトだと、ファームウェアのアップロードという手段で中身だけ新しくすることも可能になりました。
Radar の消しゴム。株式会社シード謹製。

1968年からあるプロダクトだそう。いろんな消しゴムを試してきましたが、ここ数年はこれに落ち着いています。この、ブルーのパッケージ。よく見ると、パッケージの角は丸く切り落とされていて、消しゴム本体に食い込んでしまわないように配慮されてる。工業製品として、ちゃんと緻密にデザインされてます。

ロゴと、社名、PLASTIC ERASER、商品番号と、4種類のフォントが使われていて、ちょっと整理されていない鈍くさい感じ、なんとも安心感があります。
いつからこのデザインなのか分からないけど、相当前から変わってないんだと思います。変わっても良いんだろうけど、変わる必要もない。

最近はカラーバリエーションがあるみたいだけどね、やっぱりこのブルーなわけです。
変わるべきものは何かを、しっかり見つめたいと思います。
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オーロラ

桜がちらほら咲き始めた4月3日。

昨日までとは打って変わって、ちょっとだけ肌寒く、桜もキュッと、身を引き締めているよう。新幹線に飛び乗って東京まで。精一杯の、お祝いに。
オーロラウェディング

オーロラさんち(aurora. photograph.)の、披露宴にお呼ばれしてきました。

それはもう、やさしさにあふれた披露宴。
嫋やかで、和やかで、たくさんの笑顔と、たくさんの涙。涙。涙。

うれしくって出る涙とは、またちょっと違うのかな。感動っていうのともまたちょっと違う。もちろん悲しくはないし、悔しくもない。なんだかこう、ぴったりくる言葉が上手く見つけられないのだけど、もしかしたら人はそれを幸せと呼ぶのかな。なんて。
会場は自由学園・明日館。(設計した人、フランク・ロイド・ライト)

学校らしいコンパクトなスケール感に、石と木と漆喰の素朴な素材感。華美ではない、ライトらしい装飾。会場の雰囲気も、流れるサニーデイもぴったり。
なのでいつもより写真は少なめ。心のシャッターばっかり切ってしまってました。


アオくん、ミキちゃん、おめでとうございます。
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エイプリルフール

いろいろ世の中ばたばたしているので、今年のエイプリルフールは来年に延期するようです。

だなんて。

なかなかポジティブな気持ちになれなかったんだけど、それじゃ何にも始まらないのでぼちぼち続きを書いていきます。

それにしても、3月はよく動いた。中旬から東京・名古屋・富山・博多・福井・東京…。

時間は止まってくれないし、待ってもくれないのだから、前に進むしか、ないんだよなぁ。
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