最近は大きなカメラを持ち歩くのがとことん億劫になっていて、どこへ行くにも安定してGR Digitalと一緒。
おっきくて重いデジタル一眼は良く写る。だから去年のスペインへも大きなカメラをぶら下げて行ったんだけど、でも、でも旅の目的は“良く”写すことか、という疑問もあり。
思えばボクにとっての旅カメラはずっと単焦点コンパクトだったわけで、そう、撮ること自体を気軽に楽しむスタイルに回帰したいなぁとぼんやり思ったわけです。
ペンタックスKマウント。ブロニカSQマウント。ニコンFマウント。これまで、ボクが手にしてきた一眼レフのカメラたち。
そこに、新しくソニーのEマウントを迎えることとなりました。
とにかく小さく、軽く、楽しく、そして機動力のあるカメラを。
迷いに迷った結果、どうせなら世界で一番小さいの。手に持った時のグリップ感もしっかりあって、シャッターが切れるメカニカルな音に、光を捕まえてることが実感できるモノ。
デザインの肝は、なんといってもこの小ささ。ボディからレンズが“はみ出る”というコンセプトが、全体をしっかり貫いてます。金属の部分はすべてレンズに見えるけれど、“台座”にあたるの部分が実はボディ側にくっついていて、そこがまるでレンズに見えるようにデザインされてます。
ボディは、その大きな“筒”を受け止めるべく、四角いマッスをスパッスパッと面で切り落とした多角柱を、横に寝かせただけのシンプルなカタチ。
当然っちゃ当然だけど、これまでの一眼レフカメラとは全く違った形態言語を用いてデザインされてます。新しいモノをつくるための意気込みが感じられて、清々しい。
正直、レンズの描写は甘いし、シャッター音も見かけによらず大きい。でも、標準ズームつければオールマイティに使えて、16ミリ単焦点つければスナップ機になる。レンズ交換式のメリットも、このサイズならまた違って楽しめそう。
大学生のころの、初めての海外一人旅からもう10年くらい、リコーGRレンズはボクの目で、28ミリの画角はボクの視野そのものだった。さて次の目は、どんな風景を記録するのだろう。
そんなこんなで5月2日から、こいつ連れてベルリンへ行ってくる予定です。