余裕のない毎日だけど、そんな時間の過ぎて行き方にツイッターというメディアが割とぴたっとハマっています。タイムラインに流れる玉石混淆な情報が、手っ取り早く脳みそを活性化してくれる。
この本もそう。デザイナーの山中俊治さんが
つぶやかれていて興味をもったのが読み始めたきっかけ。「何度これに救われたことか」という言葉を見て、本に救われるとはどういうことか、とも。
「アイデアのつくり方」ジェームス・W・ヤング
たぶん、僕がこれまで読んできた本の中で、一番(物理的に)“薄い”。それが手元に来たときの驚きの第一印象でした。それだけでもかなりのインパクト。
余計なことははほとんど書かれていなくて、訳者のあとがきまで含めてもほぼ100ページ。そのうちヤングさんの書いた部分は57ページ。1時間もあればさくっと読めてしまいます。
読後の、そのズバリ感がまたかなりのインパクト。
「アイデアは新しい組み合わせである。」
ヤングさんはそう書いています。そしてそれを実現するための5つのステップも、ものすごく簡潔。
自分の中からアイデアがわき上がってくるプロセスや、アウトプットしたものを改めてロジカルに見直したことはなかったのだけど、割と思い当たる節があるのです。
アイデア抽出をシステマチックにやるための本ではありません。ただ、アイデアが、ごく一部の天才のものだけではないと分かるのは、まさに“救われ”ます。
日本語版の初版は1988年。それから23年の月日が経ってもまだ、内容が古びれないというのはまさに真理を突いているから出はないかと思います。
後半の、竹内均さんによる解説がまた素晴らしいです。そちらも一読の価値あり。