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その夜は、確か設計課題のエスキスのリミットに追われて家でスタディ模型をつくってた。真夜中過ぎて明け方近く、煮詰まって同期と電話しながらあーでもない、こーでもないとやり合ってたんだっけ。
電話をしながらフトつけっぱなしのテレビを見ると、映画のワンシーンのようだけど、でも確かにニュースとしての映像が流れている。電話越しに、「これ、実際に起こってることよね?」と確認。何かがそこで、実際に起こっている。なのにあれほどまでに現実味の無い映像体験というのは後にも先にもない。それが、自分と連続する世界で起こっていることだとは、イメージすることもできなかった。
そしてその半年後、ボクはニューヨークを訪れたんだった。たくさんの建築を見に。
持っていったのはGR-1s。50本超のフジのカラーフィルムと、ILFORDのモノクロフィルム。
メトロを初めとした都市機能はまだ完全には復旧されてなくて、道路も部分的に閉鎖。おかげで手持ちの地図はゆがんでしまった。街路樹にはまだグシャグシャになったブラインドがぶら下がってた。
グラウンド・ゼロ。
定時になるとやってくるバグパイプ隊。その悲哀と追悼の念に満ちた音色は鮮明に憶えてる。カメラに入ってたカラーフィルムを途中で巻き上げて、モノクロフィルムに入れ替えた。
ボクにとっての9.11。
あのとき電話で話していた同期から、子供が生まれたよ、との報告。
アレ以降、世界は大きく変わった(と、聞く)。でも、変わらないものもあるし、時は時として流れている。そんな、今日、あれから9回目の9月11日。