どういうわけかイッセイミヤケから雑誌Penの別冊「XXIc.-21世紀人-完全ガイドブック」が送られてきて。どんなルートで届いたのかまったくわからないのでちょっと不気味に思いつつ、せっかくなので見にいってきました。
「21世紀人」展 三宅一生プロデュース @21_21DESIGN SIGHT
21世紀人、テーマはズバリ「明日のものづくり」。三宅一生さんはアートとデザインの境界がなくなってきて…と語ってるけど、これは紛れもないコンテンポラリーアートの展覧会。ここに表現されているのはすべてソリューション=解決ではなく、クエスチョン=問題定義です。テーマもテーマだけに、まぁ、何でもアリ。
周囲の評判ほどボク個人はその面白さを感じることができなかったのだけど、それでも関口光太郎さんの「明るい夜に出発だ」は圧巻。新聞紙とガムテープを使ったアート…というかもはや建築(もしくは寺社仏閣)のようなもの。
小さい頃、セロハンテープを毎日1本使い果たして工作していた自分とちょっと重なり。インスタントな素材だからこそ、その時々の思いつきや心の揺らぎが全面にみなぎっていて、しかもなんせそれが圧倒的にデカイので、得も言われぬパワーがある。
イッセイミヤケクリエイティブルームの「ザ・ウィンドウ」も試みとして面白いです。ダイソンとのコラボレーションというのが奇妙なんだけど、まぁそこは置いておいて。そのプロセスが見られます。
この作品のコーナー、網タイツのようなネットのパーテーションで区切られていて、そこに文字が仕込まれてる。なんか別素材で切り貼りしてあるのかなと思ってそばでみたら、ネット自体に文字が“織り込まれて”いました。おおぉ。こういう素材の使い方、マテリアルそのものへの探求はいかにもイッセイミヤケらしいなぁと。
全体通して21世紀は明るいぜ、イエー。って感じでは全然なく、むしろダークで下げたテンションです。小手先の“面白さ”や“キャッチーさ”もありません。それだけに、見る人の意識が試されてる気がします。そんな気がするだけかもしれないけど。
ボクは、21_21じゃなく、もう少しシンプルな空間で見たいなぁと思いました。
その後代官山で結婚式に出席。屋根の開放するチャペルと、饒舌でフランクな牧師さんと、ミシュラン2つ星の美味しい食事。幸せそうな2人にただただ見とれていたのでした。