HASH BLOG

ブルーグレイな日々とデザインのメモ帳

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大晦日

年の瀬だから、ってわけでもないのだけど。今年は自分としても反省すべきことがたくさんあった気がします。できたことも、できてないことも。放ってきたものも。そろそろ“全部持っていく”ことが難しくなってきたのかもしれない。
でもね、ボクはまだ全部持っていきたいです。

来年の抱負は「今年以上に頑張る」こと。毎年のことだけど。はは、結局なんにも具体性ないや。まぁ、そういうのは心の内に。

下呂温泉にて
下呂温泉にて。

「さむい」とか「ドーム」とか。なんだそれは、って感じ。でもそんなあっけらかんとした感じでいいじゃないか、と。
力抜いて、前を向いて逃げる。そんな2008年だったらいいな。

来年もまた、どうぞごひいきに。
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瞑想の森

2007年も締めくくり間近。ばったばったと色んなことを2007年に押し込んで、ギリギリの年末。なんとかたどり着いた休みの初日は大学時代の友人たちと、恒例行事になりつつあるユルユル1泊旅行へ。今年は下呂温泉でした。年の暮れ、ボクにとっては1年かけて少しずつズレてきたリズムを、元に戻す時間だったりします。

せっかく岐阜まで来たんだからと、2日目の帰り際はココへ寄って。
瞑想の森 外観
瞑想の森 市営斎場 (設計:伊藤豊雄建築設計事務所)

夕暮れの山間に浮かぶ、複雑な自由曲面の屋根。薄く白いそのシェル構造は、はらりと浮かぶ布のようでもあります。と、思ったんですボクもね、中に入るまでは。
中に入るとその印象は一変。圧倒的に空間を支配する天井、というかなんというか。建築というよりも“洞窟”に近い印象。もちろん四方は巨大なガラスによって開放されているのだけれど、覆い被さるものの強さに圧倒されてか、内部にいるという感じがすごく強い。

瞑想の森 内観
曲面はその印象をくずさぬように、とてもデリケートにデザインされていて、天井に見えるのは、ギリギリまで埋め込まれたスプリンクラーと非常灯のみ。照明は全て地上レベルからの間接照明でした。

この照明計画がとても印象的で、うねる屋根の陰影を見事に浮かび上がらせてます。中にいるときと外から見たときの印象の違いは、この照明に依るところが大きい。なんにも余計なもののない天井は、とてもピュアに建築のキャラクターを決定付けてました。

その他にも、各所で丁寧に”エッジ”が消されているのだけど、それは柱と壁と天井の境目をただ単純に曖昧にするってことではなく、もうすこし根元的な部分でコンセプトを成立させるための操作なんだと思います。

ぐりんぐりんと似たようなタイプの建築だけど、その印象は全く違います。左官の塗り分けやスチールのガラス装飾なんかは“人の手”を感じられる。もちろん巨大な曲面も、おそらく職人の手によって微調整された結果。そういう意味でも、年の瀬に、素晴らしい建築を目撃しました。

たぶんおそらく未来の古典、というよりは、特異点として残っていく建築です。


※見学する際は、必ず前もって電話連絡していくことをオススメします。素晴らしい建築である前に、市営の斎場であることをお忘れ無く。
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ネーム

今年の年末は温泉に行く予定なので、おっきいカバンを探してたのです。そしたら急に頭の中でピーンときたのは、超懐かしいL.L.ビーン。
さっそくショップに行って大きさ確認して。で、ネットショップでふたたびアレコレ悩んで、結局BUY NOW。
トート
L.L.ビーン ボート・アンド・トート・バッグ、ジップ・トップ ラージサイズ。

色はド定番のグリーンと迷ったあげく、結局これまた定番のブルーに。

なんと調子に乗って、ネームの刺繍までしてしまいまして。しかもブロック体ででかでかと“HASH”。これ大丈夫かね、大丈夫だよね?なんて心の中で問答しながら、結局やっぱり自分カスタマイズ。(写真はなんだか合成っぽいけど、ホントに刺繍してあります)

まさにカバンの原型って感じ。まさに元祖って感じ。キャンバスの固さがなんともいい。
両サイドの縫い合わせは外で重ね合わせてあるだけ。よく見ると生地の“耳”がそのまま生かされてます。そこらへんの合理性は、さすがアメリカン・ブランド。したたかで無駄がない。

次はNIKE iDで自分カスタムしようか密かに考え中。
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折形と浮箸

いただきものってうれしいもんです。つい最近の出来事。冬風に乗って、東の方からステキな贈り物が。
ukihashi
アッシュコンセプト「ukihashi」  からし色

とってもシャープでシンプルなんだけど、ちょっとかわったカタチをしたこのお箸。置くと先端がちょこっと持ち上がります。箸置きが無くて箸先がヨゴレない、というアイデア。
こないだ友人と天ぷら食べに行ったのだけど、そこで“渡し箸”やっちゃってる自分がいて、こりゃダメだなぁと思ったところだったのです。だからとってもタイムリー。

それよりもですね、箸袋が手作りなんですね。しかもお箸のからし色に合わせた色使い。お手紙の入った便せんも、手作りの“折形”。その心遣いが、とってもステキだなぁと。

そういえばミッドタウンのとらやでも、折形デザイン研究所の展示をやってたのを思い出して。風呂敷しかり、折形しかり。一枚で包むという、行為における究極のシンプリシティーは、誇るべき日本文化のアイデンティティー。

折り方もわかったので、今年のお正月は自分でもやってみるかなぁ。ステキな和紙を探しに行きたい気分。
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グリーン

早朝の新幹線で再び東へ向いて移動。そして2度目のN700系。せっかくだからウワサのグリーン車にでも乗ってみようと。
N700系のグリーン車
N700系新幹線のグリーン車
読書灯が座席のヘッドレストに埋め込まれてます。

さすがにゆったりです。照明も電球色系で、なんだか違うんですね。
全体として、ものすごく“デザインされている”感じがします。

良いと思うことは、実は特定の部分の評価に依ることが多いんじゃないかと思うのです。“コレが好き”っていうのは、実は“ココが好き”ってことに近い。良いデザインと思う時も、実はそんな感じなのかも。
でもこの車両は、すごくデザインされてる。ココ、とか、ソコ、じゃなく、全体としてとても良いと思うのです。リクライニングと連動するシートとか、もちろんパーツごとにすごくよく考えられてるからなんだけど。

感心したのは、パーツごとの“動き”までちゃんとデザインされてるってこと。テーブルとかリクライニングとか、とかく動く部分が「ガチャッ」とか「パタン」って感じではなくて、「ヌー」とか「スー」っと動くんですね。
これはもう、ニクイなぁと思ったのです。とっても地味なんだけど、“感性評価”ってきっとこういうことなんだなぁ。
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六ヶ所村ラプソディー

どうやらルミナリエもやっていたらしいんだけど、それとは関係なく神戸へ。元町のモダナーク・カフェで、こぢんまりとした映画の上映会。
六ヶ所村ラプソディー
六ヶ所村ラプソディー」監督:鎌仲ひとみ

青森県六ヶ所村の核燃料再処理工場を巡るドキュメンタリー映画。再処理施設ができることで起こった村の変化をつぶさに追いかける純然たるドキュメント。デジタルカメラで丁寧に取材された映像は、つくりこそ自主制作っぽいのだけど、見る者に強く訴えかけます。

そこにあるのは、強烈なジレンマです。一方を立てると他方が立たず。みんなの判断がつかぬまま、現状の生活を守るために進む国家的プロジェクト。自然破壊の問題、地方都市の問題、雇用の問題、エネルギー問題、食糧問題。実に様々で複合した課題が目の前に山積みになっている現実を突きつけられる。

反対か賛成のどちらに加勢するのか、という判断は恥ずかしながらできなかった。巡り巡って問題の一端を担ってしまっている者として、映画を観て、じゃあ核燃料処理施設なんてつくるな、なんて言うつもりもなく。

ただこういうことが世界の、しかも日本の中で起こっている。それを知ることがまずは大切なんだと思います。知っておくべきですね、“無関心は悪”です。

これからも各所での上映会を続けるそうなので、みなさま、ぜひ。
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新日本軍手

東京のお土産です。お土産…?  いやもう、それこそ狙い撃ちで。

新日本軍手
新日本軍手 −New Nippon Work Glove−」
ウェブサイトの過剰なスタイリッシュさがグッド。

国立新美術館のミュージアムショップ、「スーベニア・フロム・トーキョー」にて捕獲。軍手、なんです滑り止め付きの。普通なら黄色とか緑色のポツポツがついてるアレです。そんな軍手の、滑り止めががっちりデザインされてます。デザインした人、カクタスデザイン

本来の使い方で言うと、この、柄が入ってる方が手の内側にくるのが正解。滑り止めですからあくまでも。いやでもそんな使い方する人少ないだろうなぁ。チョイ悪な現場オヤジはこの滑り止めをチラ見せ主張、って感じだったりして。

実用的だし、これから洗ってくり返し使おうって、思うかな。何ともナイスな企画です。しっかり「Gマーク」ももらってたり。
1枚千円。一家に一枚。
モノ | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

ごえん

なんとかかんとか迎えた週末。久ぶりに人の集まる場所に行く金曜の夜。いつも通り少し遅れて、いつも通りのD&DEPARTMENTへ。今日は「D&DEPRTMENT DINING BOOK」の出版記念パーティーだったのです。

受付でもらったのはもちろん出版される本。と、「5円」。5円?いや、スタッフの人は確かに「ご縁です。」って言って渡してくれました。
ご縁
本の中表紙にはナガオカさんではなくて、ダイニングのスタッフの方に一筆入れてもらってね。ありがとうコウさん、だんきぃ。

そう、ご縁です。

いつも通りナガオカさんがいて。友人がいて後輩がいて。初めましての人もお久しぶりの人も。いつもお世話になってるダイニングとショップのスタッフの人も。ウマイご飯とウマイお酒だけじゃなくて、ここはそんな良い感じの“ご縁”を提供してくれる場所なんだなぁと思ったり。
なんと、ものすごい偶然にも、何年かぶりにkenjiさん夫妻にも出会うことができ。一番のサプライズ。恐るべし「5円」パワー。


で、肝心の本は、Dのダイニングで出てくる料理のレシピ本。いつも食べてるあのメニューこのメニューの作り方がバッチリ載ってます。ボクの大好きなパンプディングまでも。ふふ、これで家でも幸せになれます。

出版社が“主婦の友社”ってところから、その本気度が伺えます。書店では、もしかして流行りのカフェ〜なコーナーや、デザイン本のコーナーに並べられちゃうのかも。でもそうじゃなくてこの本は、本気度100%の料理本コーナーに並べられても耐えられる、っていうのに標準を合わせてつくってある。で、ちゃんとそういうふうに出来上がってます。さすが。

ボクはコレ見てピクルスと、パンプディングつくろうと思います。
書物 | permalink | comments(2) | trackbacks(0)

ウォーター

トーキョーミッドタウン、行ってきました。せっかくなので。ここに来るのが初めてって、自分でもビックリするぐらい今年は大阪を出ずに過ごしたってことだなぁと。来年はもっと行動範囲を広げたいなぁと。

当然ながら、21_21DESIGN SITEへも初訪問。周辺のミドリは思ったよりも奥行きがなくて物足りない感じだったけど、低く抑えられたこの建物の建ち方はいい感じでした。最近のANDO建築に見られる、地下へ逃げるという姿勢は、疑問に感じたりするのだけれど。
water…
やっていたのは「water」展  佐藤卓ディレクション

デザインの展覧会、ではないです。「水」についてきちんと考えるチャンスを、きちんと考える会を、デザイナーが考えましたというのが正解な気がします。だからなんというか、過剰に期待していくと拍子抜けするでしょうね。

だからこそ、この場所でやる意味があるんだろうなぁと。1人でゆっくり会場を回りながらそんなことを思い、噛みしめておりました。
色々言われてますけど、こういう場所があること自体がステキですよ。場所はメディア、場所はチャンス、場所は共有できる価値。やっぱり大事です。
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四角い風船

木場で降りて、大盛りのラーメン食べて、東京都立現代美術館へ。
space for your future 展
「SPACE F0R Y0UR FUTURE ア─トとデザインの遺伝子を組替える」展

アーティストも、建築家も、ファッションデザイナーも、映像クリエイターも、出展者の属性はごちゃまぜ。デザインでもアートでもなく、スペース。だから、出展者の属性はあまり重要ではなく。
当然ながらそこを読み切れていないものもあり、作品にはアタリもハズレもあるのだけど、全体的にとっても楽しい展覧会でした。

一番は石上純也の「四角い風船」。重さ1トン、アルミでできた巨大な立方体が、ヘリウムガスで中に浮かんでいます。3層吹き抜けのアトリウム全体を使った作品は、各階から見ることができます。時折ふわり、ゆらりと動くアルミの立方体。その表面には各階から作品を眺める人が映り、ふわりと揺らめく。最下層からはみんな靴を脱いで、地面に近い位置からゆったりと見上げる。
とてつもない切れ味のある作品ながら、それを見守る態度はすごいユルく、自然体。そこのギャップが心地よかったのです。

ちなみに(たぶん)事務所のスタッフが常駐していて、時折この風船をフワーっと動かしてました。
以前の大きな「テーブル」同様、そこにあること自体が不思議な違和感のある作品です。どうやって搬入したのか、とかそういう疑問が帰り道に沸々を湧いてくる感じ。

エルネスト・ネトのへんなクッションもオススメ。
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presented by Yusuke Hashimoto "HASH DESIGN WORKS"