スケジュールを確認。で、ポコッと空いた時間のポケットに押し込むように。公開初日の映画館へ。とはいえ混んでるわけでもなく、見に来ている人はまばら。
「
スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー」 監督:シドニー・ポラック
純然たるドキュメンタリー。ゲーリーという人物を読み解くことに専念しているので、とてもわかりやすく、ピュアな気持ちで見ることができました。
おそらくこの映画を見ているボクには、おそらく2つの視点があって、その1つは“つくる人”としての視点、もうひとつは作品を“鑑賞する人”としての視点なのだけど。その2つの領域を行ったり来たりしながら、映画を見ていた気がします。
言わずもがな、ゲーリーの建築は非常に彫刻的です。その外観としてのフォルムはもちろんなんだけども、実はそのクリエイションの過程が“建築離れ”していることこそが、ここでの核心なのだと思います。
ただ、ただ彫刻としての外部があるだけでなく、建築としての内部空間があって、そこに満ちる「光」がテーマになっているのは、どこかジャン・ヌーベルとの共通項を感じます。でもね、そのルーツは意外にも、北欧のとある建築家であることが劇中で告白されたりするのです。
なんだかちょっと歪んでるんですね、やっぱり。本人のコメントの随所に、その歪みが現れていて、ドキドキします。
そして、タイトルにもなっているスケッチ。あの有名な、ヘロヘロのスケッチです。スケッチは着想の成果品=アウトプットではなく、発想の始まりの表出なんだということを、思い知らされます。だからキレイである必要もなく、必死に描く必要もないんです。
ボクが“体験”したゲーリー作品っていうと、3年前に行ったシアトルの
EMPと、神戸のフィッシュダンス、それにNYのイッセイミヤケ・ブティックの3つ(建築としては1つ)だけ。
Experience Music Project photo by hash
都市に現れるモンスターとしてのその造形に圧倒されたのだけど、それでもビルバオのような空間の“ミラージュ感”はなかなかね、あそこではそう感じられなかった記憶があります。ゲーリーの建築にも、いくつか種類があるということです。
DVDでたら、買っちゃいそうだなぁ。