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ブルーグレイな日々とデザインのメモ帳

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モチーフ

メタファーとはちょっと違う、モチーフ。日本語訳は「暗喩(=メタファー)」と「主題(=モチーフ)」。うん、違う。で、モチーフのお話。
実在する何かを主題としてカタチに取り入れるって実はとっても難しい。やりすぎるとウソっぽいし、安っぽい。「デザイン」しちゃうととわざとらしい。バレバレなのは恥ずかしい。

そういう意味ではこれもかなりわざとらしいのだけど、でもこういう伝統的なデザインの中に取り入れられるモチーフというのはどこかチャーミングだと思うのです。
Pelikan traditional R215
Pelikan Traditional R215

コラーニデザインのNo,1に続くペリカン。

Pelikanの筆記具には、その名の通りペリカンがいます。No,1では横顔でした。このシリーズでは、ペンクリップの部分がそのまんまペリカンになってます。ペリカンの、あのくちばしに。よく見ると目もついてたりします。

カモノハシ、に見えなくもないですけど。

ギュッと広がって、ペロンとめくれ上がるカタチは、端っこがグッと持ち上がっているのでポケットに差しやすい。
装飾性と、ブランド表現と、機能性が、グッドなバランスだなぁと思うのです。
モノ | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

トラクター

アッキレ&ピエール・ジャーコモ カステリオーニ兄弟は、「レディーメイド」というコンセプトのもと、いろいろな既製品を組み合わせた家具をデザインしました。自動車のヘッドライトと釣り竿を使った“Toio”とか、トラクターのイスを使った“Mezzadro”とかね。有名です。

最近じゃ“サンプリング”なんて呼ばれる方法論として確立された感があって、ちっとも珍しいモノじゃなくなりましたけども。ものは一からつくるものだっていう過去の価値観の中にあっては、すごい衝撃的だったんだろうなぁって思います。

でもでも実はひとつ腑に落ちないことがあって。それはMezzadroなんですけど。

トラクターのイス?

…って、ずっと思ってました。いやいや、どこからどう見てもトラクターのイスには見えなかったんです。(見えないですよね?)それが先日ふと地下鉄の駅で解決。
トラクター×いいちこ
「いいちこ」のB0判ポスター

なるほど納得、トラクターってワケです。
日記 | permalink | comments(4) | trackbacks(0)

カエラ

年甲斐もなく、気になる人がいて、相当迷ったあげく、あーでもない、こーでもない、と自分を説得する理由をアレコレ考えて、結局のところ手元に。久しぶりの写真集は作家の作品集でも、ドキュメンタリーでも、風景写真でもなく。
cheeky
「cheeky」
その人の正体は木村カエラだったりして。

なんかね、気になるのですよ、興味があるのですよ、木村カエラ。“カエラ”ってなんだよ、的な。ボクとはまったくもって相容れない感じですけど。
アイドル(?)写真集なんて初めて買ったのだけど、たまにはね。ロッキンオンが出してるので、内容もそんな感じです。
書物 | permalink | comments(6) | trackbacks(0)

ピタゴラ2

「1」と書いてあるということは、当然「2」もあるわけで。今回は忘れないように予約して購入です。
ピタゴラ装置2
『ピタゴラ装置 DVDブック2』

ただ、ビー玉が転がっていくだけという“面白さ”は今回も同じ。前回よりももう少しテクニカルなものが多くなって、凄みが増してる。

今回も、あとがきがとってもいいんです。
“「想像の自由さ」が本当にその素晴らしさを発揮するのは、思い通りにならない現実からの逃避先が示されている時ではなく、「現実の不自由さ」を打破するパラダイムがその中に示されたときだと思います。” (佐藤雅彦の言葉をそのまま引用)
心の中で大拍手です。

ピタゴラ装置も、それってルーブ・ゴールドバーグ・マシーンだよね、なんて、知った風に言葉で片づけてしまうのは簡単なこと。
忘れてはいけないのは、何事も、ゼロから考えられるかどうか。“知る”ことが、“見つける”ことや“考える”ことの妨げになっちゃ、ダメってこと。
映像 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

サインシャネル

女子ロックに傾いている今日この頃。iPodからは少年ナイフ、携帯の着信音はチャットモンチーなボクです。
思えば昔から、ドキュメンタリーが好きでした。小説よりも偉人伝。久しぶりにDVDを買い、いつものことながら熟成(時間の使い方がヘタクソ、とも言う)させてから見たのもやっぱりドキュメンタリーで。
サイン・シャネル
「サイン・シャネル 〜カール・ラガーフェルドのアトリエ」

ラガーフェルドの描いたデザイン画が、コレクションでばばーんと発表されるまでの軌跡。デザイナーがいて。デザイン画を実現化する技術者がいて職人がいて。スタッフがいて、プレスがいてカメラマンがいてマネージャーがいて。そういう構造化されたモノづくりの仕組みというのは、どこの世界でも同じなんだなぁと思い知るわけです。締め切り前に徹夜するのも同じです。

華やかなコレクションのランウェイの最後に、お針子さんたちのための短いランウェイが用意されることを初めて知りました。お針子さんたちはそこで自分たちの仕事を“目撃”します。自分たちだけのショーを見ながら交わされる言葉が、なんともステキなんだなぁ。恥ずかしながら半泣きです。

モノをつくる。どんな立場の人も、自信と誇りを持って、モノをつくる。当たり前のことだけど、むずかしい。
巨大なブランドを支えているのは、デザイナーの思想だけでなく、おばちゃんのプライドやenjoynessだったりするのです。構造化された物づくりの仕組み、の中では、そういうことって忘れてしまいがち。二の次になってたりしませんかね。誰もが「悪くない」と思う選択肢を選んでしまってないか。結果的に、だれもがイイとは言わなくなってないか。自戒を込めて。
映像 | permalink | comments(4) | trackbacks(0)

TARO NASU

行こう、行こうと、思いは向くも脚は向かず。遅ればせながら。
TARO NASUギャラリー
TARO NASU GALLERY OSAKA青木淳建築計画事務所)へ。
当然ながら"taro nasu bambi"の展示は終わってました。

マンションの1階を改装したギャラリーは、弱々しく街にそっと置かれていました。
中にはいると、空間のボリュームが思ってたよりもずっとずっと小さい。ギャラリーとしてはギリギリの大きさ。

白くペイントされた45センチ角の木毛セメント板(目透かし張り)で覆われた内装は、思っていたよりもとても“弱い”。天井が下がった部分とか空調の吹き出し部分とか、普通だと合わせるはずの目地が見事に揃っていなくて。だから違和感があるとか美しくないとか、そういうことではなく、だから、“弱い”。見た目の秩序ではなくて、もう少し根本的なルールだけが強く意識されているということなんだと思う。設計者の言葉を借りれば、それが「ルールのオーバードライブ」ということか。
建築 | permalink | comments(2) | trackbacks(0)

定点観測

以前にも書いたアレですが、だんだんと全体像が見えてきました。
フリーフォール
雨上がりのグレイな空に、鈍い金属の外装が溶けむ。

建物のイメージが固まっていくのはまだまだこれからだけど、今のところファサードの金属パネルがものすごい“書き割り”感を出してます。なんだかペラペラです。
建築 | permalink | comments(3) | trackbacks(0)

抽象化

何かを人に伝える時、詳しく説明した方が、逆に伝わりにくかったりします。概要が伝わればいいとき、ものごとのディティールはタダの“おまけ”、ただの付属要素になってしまう。伝える時間が短かったり、伝える相手が大勢だったりするとなおさら。

単純なものは強いです。それは余計なものをそぎ落として、その本質だけを伝えようとするからだと思います。ピクトグラムなんかもそう。「誰にでも分かること」を目的につくられた視覚記号は、必要最低限の情報量で、もうそれ以上削れない情報の本質・その情報を捉えるためにみんなが共有している共通項を表現してる。

そういう見方で見てみると。
優先座席
地下鉄の優先座席表示なんだけど。

全体的に情報量多めでごちゃっとしてますが。中でもピクトグラムがとっても変です。複雑で、ちょっと説明的過ぎて、抽象化・単純化しきれていない感じ。無理矢理ピクトグラムっぽく見せている感じがして、それならばもっと他の方法論で表現できるんじゃないかと思うのです。

伝えたい内容は分かりますけどね、絶対もっと削れるものがあると思う。絶対もっとシンプルにできると思う。
日記 | permalink | comments(4) | trackbacks(0)

ひとふで

すっかり春の陽気。サクラもいつの間にか咲いていて、今年もまた花見に行けずに散ってしまうのかななんて思いつつ。
ふと見上げると、力強く美しい構造物。
大阪市内の歩道橋
大阪市内の歩道橋 とっさに携帯電話のカメラで。

幅の広い4車線道路に、ちょっと斜めに角度をつけて架かる“ふつう”の歩道橋。ゆるいアーチをしたその歩道橋は、太めのマーカーペンで、すぅっと空に線を描いたようなシルエット。だけど、よく見ると実は全然ふつうじゃない。

よくあるような鉄骨の継ぎ手やリベットやボルトやリブプレートの類がいっさいなく、とても滑らかなカタチ。本体とは別に、下からアーチとは曲率の異なるラインを描く“カバー”のようなものでフタされています。端っこの方でこのカバーから雨樋がにょきっと出てきているところを見ると、どうやらこのカバーが雨水の排水経路にもなっているようで。アーチの形状を考えるととても合理的。

アプローチも、長い折り返しのスロープになっていて、全体的に横方向に引き延ばされたカタチが強調されています。こういう構造物を見つけると、なんだかうれしくなってしまいます。ああ、良いなぁ。

“カバー”の中がメンテナンスできるのか、そこがちょっと気になったりもしますけど。まぁとりあえず置いておいて。たぶん、だけど、ちゃんとしたデザイナーが“ちゃんと”デザインしているんじゃないかなぁと思うのです。
建築 | permalink | comments(4) | trackbacks(0)

ノートルダム

今日はエイプリルフール。だから「今年はもうウソをつきません」っていうウソをつきました。これでいつでも大丈夫です。まぁそんなにウソついたりしませんけども。

平成18年度の“シメ”は結婚式に出席。ここ1年ぐらい、ほんっとに多くの結婚式に呼んでもらってます。人の幸せを祝ってばっかりのボクですが、それよりなにより毎回どの式に出ても、新しい発見があるっていうのはとてもうれしいことです。
ノートルダム
昨日の式場はこんな感じ。

この日もまた、たくさんの“記録”を撮ってきました。
それにしても最近のウェディング・ビジネスは、なにやらすごいことになってますね。現実性を装ったスペシャルでアン・リアルな演出が、そこかしこでスパークしております。(ルー語)
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