女子ロックに傾いている今日この頃。iPodからは少年ナイフ、携帯の着信音はチャットモンチーなボクです。
思えば昔から、ドキュメンタリーが好きでした。小説よりも偉人伝。久しぶりにDVDを買い、いつものことながら熟成(時間の使い方がヘタクソ、とも言う)させてから見たのもやっぱりドキュメンタリーで。
「サイン・シャネル 〜カール・ラガーフェルドのアトリエ」
ラガーフェルドの描いたデザイン画が、コレクションでばばーんと発表されるまでの軌跡。デザイナーがいて。デザイン画を実現化する技術者がいて職人がいて。スタッフがいて、プレスがいてカメラマンがいてマネージャーがいて。そういう構造化されたモノづくりの仕組みというのは、どこの世界でも同じなんだなぁと思い知るわけです。締め切り前に徹夜するのも同じです。
華やかなコレクションのランウェイの最後に、お針子さんたちのための短いランウェイが用意されることを初めて知りました。お針子さんたちはそこで自分たちの仕事を“目撃”します。自分たちだけのショーを見ながら交わされる言葉が、なんともステキなんだなぁ。恥ずかしながら半泣きです。
モノをつくる。どんな立場の人も、自信と誇りを持って、モノをつくる。当たり前のことだけど、むずかしい。
巨大なブランドを支えているのは、デザイナーの思想だけでなく、おばちゃんのプライドやenjoynessだったりするのです。構造化された物づくりの仕組み、の中では、そういうことって忘れてしまいがち。二の次になってたりしませんかね。誰もが「悪くない」と思う選択肢を選んでしまってないか。結果的に、だれもがイイとは言わなくなってないか。自戒を込めて。