朝帰り、ちょっと昼寝、寝坊、慌てて家を出て、見事に電車を乗り違える。Uターンして、十三で乗り換えて武庫之荘へ、オープンハウス。その後中之島にて、伊東豊雄・五十嵐太郎・遠藤周平・藤本壮介のリッチな講演会を。そして桜橋、地下の居酒屋へ、後輩と飲む。終電間際に帰ってまた家の近所で飲む。そんな土曜日。
「S HOUSE」
藤本克之建築設計事務所
久しぶりのオープンハウスは先輩に誘われるがままに。採光は最小限に押さえられたストイックな住宅。外観もそうですけど、中にはいるともっとバシバシです。普段とはずいぶんかけ離れたスケールにまた出会ってしまって、実はとてもショックを受けていた、というか戸惑ってました。なにごともバランスが大事です。あぁ、なにやってんだろ、自分。
その後の講演会は大収穫。やっぱり伊東さん×藤本壮介です。
五十嵐さんが冒頭に投げかけた「直角」の話は特に面白くて。直角の起源、なんて考えたこともありませんでした。大きなモノを分割するのか、小さな塊を繋いでいくのか。この、“全体ありきで考えられる関係性”と、“局所的な関係から成り立つ全体”というのには大きな違いがあります。
それと、「行き当たりばったりの方法論」。これは藤本さんの言葉。たしかに、人間なんて全て成り行き任せですから。全体の行程を考えてはいても、そこにたどり着くまでの行動は実はその場面場面で与えられているはずで。それを方法論としてしまう、なんてちょっとズルイんだけど破綻はない。藤本さんの建築がどうもプリミティブで“動物的”な印象なのはそのせいなんだな。
それから、「ジオメトリーとは点の“運動”なんです」と、セシル・バルモントの言葉を伊東さんが引用。つまり、ジオメトリーとはスタティックな数学論・形態論ではなく、流動的なカタチを捉える手法だということです、たぶん。
なんというか、コムズカシイ話であることには間違いありません。
※ケイタイは復活しました。めでたい。