この年齢になると買い物なんかまとめて一気に、というわけで、ジュンク堂なんかに寄ろうものなら福沢さんの一人や二人があっさり飛んでいくほど本を買ってしまうのです。一体いつ読むんだろう…と思いながらも自宅本棚に並んでいく背表紙を眺めながらほくそ笑む僕です。
いや、もちろん全部読んでますよ、ボチボチですけどね。
「WHAT IS OMA レム・コールハースとOMAについての考察」
Office for Metropolitan Architecture = OMAです。だから「おま」。タイトルは誤解無きように…
ブックデザインはシルバーの表紙にシルバーのブックカバーで、豪華というか過剰というか。ブックカバーの材質が分厚すぎて、折り返しの部分が逆剥けていたりするので、このデザインはあんまりよろしくないのではと思います。ただパッと目を引く強さはある。一種の広告ということになるんでしょうか。カバーも変なカタチに切り抜かれちゃったりしてますし。
こんなところにもOMA。
中身に関してはまだ読んでないので何とも言えませんが、事務所の戦略なり設計プロセスなりが、本人が生きているうちにこれだけ語られる建築家は、コールハース意外にあんまり見あたらないんじゃなないかと(僕が知らないだけかもしれませんが…)。
著書『錯乱のニューヨーク』に始まったコールハースの快進撃は、社会・経済・商業・工業…高尚な文化だけを対象とせず、これまで建築の根拠としてタブー視されてきたもの(例えば商業的なもの)までもを真っ向から取り込んでいます。一見奇抜な建築のカタチも、付け入る隙もないほど圧倒的なデータによって裏付けられる論理的でパワフルな思考によって解説されると、僕なんかはナルホド納得“させられて”しまうのです。それでもコールハースが建築に「美しさ」を求める(彼は良いスタディに対して「BEAUTIFUL」と評価するらしいのです)、ちょっと意地悪に見れば自己矛盾とも言えるその人間くさい姿勢をまた、魅力的に感じてしまったりするのです。
思えばこの春に強行スケジュールで無理矢理行ったシアトルも、OMAのデザインした図書館を見にいくのが本当の目的だったんですし。
色んな人が様々なプロジェクトについて言及している文章の寄せ集めなので、サバイバルな読書になりそうです。