『建築という冒険』を読む。もう1ヶ月半ぐらい前のことだけど。
真っ黒でざらついた分厚い紙が表紙に巻いてある。引っかかる手触りが“本を読んでる”っていう実感を与えてくれるんだけど、表紙が変な形に折れちゃって困る。
帯によると、9人の著名建築家・ランドスケープデザイナー・照明デザイナーが建築の現在、建築の未来を語ると言う内容。講演会をまとめたものなのだけれど、実は裏テーマとして「CADと建築」というのがある。
大江匡の視点は、建築設計事務所の世界に確実に風穴を開ける。
とても示唆的だ。
あまりにもシステマティック、ロジカル、真っ当。そしてクリエイティブ。タグボートの多田琢が言った、“マーケティングは過去だ、クリエイティブは未来だ”の言葉をちょっと思い浮かべてみたり。綿密に練られたクリエイティブは、きっと未来を切り開く。
大江さんは論理的に非の打ち所が無いし、作るものも綺麗だし、きちんと時代を読んでいるし、大好きな建築家…いや、経営者ではある。
ただ、あまりに正し過ぎることは、時に人を傷つける…じゃないけど、ちょっと引っかかったるというか、どうも寂しいような気がしなくもない。
他にも北川原温さんと比べると話の内容が笑っちゃうぐらい違う。どっちがいいとかそういう問題ではなくて、向いているベクトルが違う。それだけのことなんだけど。
先輩が4月から大江さんのもとで働くから、いろいろ聞いてみようっと。